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神秘!「環天頂アーク」
3月12日夕方、高知県の四万十市などで神秘的な「環天頂アーク」という、気象現象が見られた。この現象は頭上付近に、環状にできる「逆さ虹」のことである。 (2009年3月13日 読売新聞)

これができる条件は、太陽が高く昇りすぎないことと、頭上付近に薄い雲があること、風が強くないことである。太陽高度は約32度以下だそうだ。

なぜ天頂付近に虹ができるかというと、空中に氷の結晶が浮いているのが原因だ。

環天頂アークのでき方
上空の雲の中に六角板状の氷晶が存在し、風が弱い場合に、氷晶は落下の際の空気抵抗により、六角形の面を地面に水平にした状態で空中に並んで浮かぶ。

この氷晶の上面に入射した光が氷晶の側面から出る場合、氷晶が頂角90度のプリズムとしてはたらく。 太陽高度が32度より高い場合には氷晶から光が出る際に、全反射してしまうため環天頂アークは現れないことになる。

幻日
これと似た現象が幻日である。幻日とは、太陽と同じ高度の太陽から離れた位置に光が見える大気光学現象のことである。

通常、幻日は太陽から約22度離れた太陽と同じ高度の位置に見える。幻日ができる原因は何だろう?

これもまた、空中に氷の結晶が浮いているのが原因だ。 雲の中に六角板状の氷晶があり風が弱い場合、これらの氷晶は落下の際の空気抵抗のために地面に対してほぼ水平に浮かぶ。

この氷晶の1つの側面から太陽光が入射し、1つ側面を挟んだ別の側面から出る場合、この2つの面は60度の角を成しているため、氷晶は頂角60度のプリズムとしてはたらく。 この氷晶によって屈折された太陽光は太陽から約22度離れた位置からやってくるように見えるものが最も強くなる。 このようにして見えるのが幻日である。

日暈
もし風があり、上空の六角柱の氷晶がランダムに並ぶ場合には、日暈(ひがさ)ができる可能性もある。

日暈(ひがさ)とは、太陽に薄い雲がかかった際、その周囲に光の輪が現れる大気光学現象のことである。ハローまたはハロ(halo)ともいう。月の周りに現れたものは月暈(つきがさ)という。

暈は雲を形成する氷晶がプリズムとしてはたらき、太陽や月からの光が氷晶の中を通り抜ける際に屈折されることで発生する。

暈を生じさせる雲は多くの場合、対流圏上層に発生し氷晶からなる巻層雲や巻積雲、巻雲である。高層雲、高積雲、乱層雲、積乱雲、層雲などは、氷晶が含まれていても少ない上に、氷粒に成長していて光の経路が複雑化しているため、暈が見られない。

巻層雲、巻積雲、巻雲を形成する氷晶は多くの場合、単純な六角柱状の形をしている。氷晶のそれぞれの面は60度、90度、120度のいずれかの角を成しているため、氷晶は頂角60度、90度、120度のいずれかのプリズムとしてはたらく。

参考HP Wikipedia「環天頂アーク」「幻日」「暈」 

虹―その文化と科学
西條 敏美
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空の色と光の図鑑
斎藤 文一,武田 康男
草思社

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