
新型プリウス登場!
トヨタ自動車は、ハイブリッド車「プリウス」を5月に全面改良して、3代目新型プリウスを発売する。
今回の主な改良点は、1.5リットルあった排気量を1.8リットルに増やしながら、燃費を35.5キロから38キロにアップさせたこと。そして、電力の一部に太陽電池を使うことなどである。
これだけ性能が向上すると、値段も高くなるはずだが、驚いたことに、予定する最低価格を、205万円程度とする方針だ。これは、現在のプリウスの最低価格より30万円近く安い。
これは、ホンダが2月に発売したハイブリッド車「インサイト」が低価格を売りに受注を伸ばしており、価格戦略を見直して対抗するねらい。
いよいよエコカーの時代に
新型プリウスは「インサイト」と違ってCDなどオーディオ機器も標準装備するため「実質的な価格差はほとんどない」(販売店関係者)との見方もある。新型は、1997年発売の初代の価格215万円(税抜き)も下回る。
さらにトヨタは、新型の発売以降、現在の2代目プリウスを200万円以下で販売する方向で検討中。装備は簡素化するという。
ホンダの「インサイト」販売時に、トヨタ「プリウス」もある程度低価格で対抗すると予想されていたが、性能向上でのプライスダウンは予想していなかった。これで採算がとれるのだろうか?
消費者や環境にとっては大変うれしいニュースで、これでいよいよエコカーが、一般に普及する時代になった。
「プリウス」と「インサイト」いったいどこがどう違うのだろうか?
大きさの違い
まず「プリウス」は3ナンバーであるが、「インサイト」は5ナンバーである。このナンバーの違いは大きさの違い。プリウスは普通乗用車になるが、インサイトは軽乗用車に分類される。
一般的に、5ナンバーは軽自動車または小型車で、排気量2,000cc以下で全長4.7m未満、全幅1.7m未満、全高2.0m未満の大きさ。乗員は10名以下。
3ナンバーは普通乗用車で、排気量2,000cc超(ガソリン車のみ)、全長4.7m以上、車幅1.7m以上、全高2.0m以上のいずれかに該当する。乗員は10名以下。
プリウスは、新型でも1,800ccで、3ナンバーであるのは、大型化するねらいがあるからか。
走り方の違い
ハイブリッドカーといっても、様々なタイプがある。
トヨタのHV(ハイブリッドカー)はスプリット方式。発進・低速時はモーターだけで走行し、速度が上がるとエンジンとモーターが効率よくパワーを分担。エンジンは動力にもなるが、発電機を回し充電もする1台2役。プリウスの場合はモーターだけの走向も可能で、限りなくEV(電気自動車)に近い感じだ。
ホンダのHVは、パラレル方式。主役がエンジンで、モーターがサポート役である。エンジンによる走行が主体。発進時に最大の力が出るモーターの特性を活かし、エンジンが燃料を多く消費する発進・加速時に、モーターでサポートする方式。従来のクルマにモーターとバッテリーなどを追加するだけのシンプルな機構。
新型プリウス、その他の性能
ハンドル近くのパネルに表示されるのが、エコドライブサポート機能。その一つである「ハイブリッドシステムインジケーター」は、走行中のアクセルの踏み方によってメーターの棒が伸び縮みし、メーターの目盛りの位置によって、走行中の燃費の状態が分かるようになっている。
エンジンが1,500ccから1,800ccに増えたにもかかわらず、燃費が向上したのも素晴らしい。これはプリウスがガソリンエンジンよりも、モーターで走る力が向上したこともあるだろう。「排気量がアップすれば、燃費が悪くなるのは当たり前」という“クルマの常識”を覆したのはすごい。
さらに、ルーフにソーラーパネルを設置、夏の日差しがあるときには空調ファンを自動的に作動させたり、駐車中に外気を取り入れ、車内の温度上昇を抑える機能を搭載した。
また、先端技術だけでなく、トランク容量を415リットルから445リットルに広げ、ゴルフバッグ4個積めるスペースを確保するなど、使いやすさも追求した。
関連するニュース
トヨタ、ハイブリッド車で巻き返し=新型プリウス、価格でホンダに対抗 トヨタ自動車が、1997年の発売以来、世界累計120万台以上を売ったハイブリッド車(HV)「プリウス」の新型を5月中旬発売する。
ホンダが2月に売り出したHV「インサイト」(排気量1300cc)が最低価格189万円という割安感から消費者の支持を集めており、トヨタも当初想定より価格を下げて対抗するほか、現行型も値下げして併売。HV市場で圧倒的なシェアを握る「本家」としての意地から巻き返しを図る。
新型プリウスは、エンジンと電気モーターを組み合わせたHVシステムの90%以上を新たに開発。「トヨタが今持ち得る最高の技術」(大塚明彦チーフエンジニア)を投入し、効率性を高めた。
排気量は現行型の1500ccから1800ccに大型化し、加速面などで走行性能を向上。ガソリン1リットル当たりの走行距離は現行型の35.5キロから38キロ程度にまで伸ばし、インサイトの30キロを大幅に上回る。
最低価格は現行型より30万円程度安い205万円前後に抑える。いまだに人気が衰えない現行型も装備を簡素化した上、最低価格をインサイト並みに下げて併売する方針で、徹底した「インサイト包囲網」を敷く考えだ。(jijicom 2009/03/26)
参考HP Wikipedia「ハイブリッドカー」・トヨタ「プリウス」
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