便利なひかりTV
光通信がますます便利になった。テレビに光ファイバーをつなげるだけで、70chのテレビ番組が見ることができる。また、ビデオ・オン・デマンド、カラオケまで楽しめる。ビデオは再生・巻き戻し・早送り・一時停止など通常のビデオと同じように操作できるという。便利な世の中になったものである。
2008年3月にひかりTVは始まった。2008年5月9日からは、東京都内での地上デジタル放送の再送信を開始、(NHK総合・教育(東京)、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ、TOKYO MX、放送大学の9チャンネル)MPEG-4 AVCのTS(配信ビットレート約14Mbps/データ放送含む)で配信、ハイビジョンで視聴できる。2008年5月23日からは大阪府内でも視聴可能に。2009年3月24日からは神奈川・愛知でも提供が開始されている。
これだけ情報量が多くなれば、光ファイバーに負担がかかるのも当然、大丈夫なのだろうか?
ファイバーフューズ
実は最近、情報通信量の急激な増加で、光ファイバーの限界を超えた光パワーが集中し、微細なゴミやわずかな欠陥でコア(中心部)の温度が数千℃以上に急上昇し、炎上する「ファイバーフューズ」と呼ばれる破壊現象が起きている。
これを放置すると、光ファイバーだけでなく高価な通信機器まで破壊が拡大、ケーブル火災につながる恐れがあるという。
これを防ぐため、通信情報研究機構は、光ファイバーの通信量の急増によって破壊されてしまう危険をいち早く遠隔検知する技術開発に成功した。
この技術では、ファイバーフューズの発生時、光送信機方向に戻ってくる微小な反射光をとらえることにより、わずか100分の1秒以内で光送信機を停止することができる。破壊を光ファイバーのわずか数ミリ以下だけにとどめることが可能だという。
光ファイバーのしくみ
光ファイバーはコア(core)と呼ばれる芯とその外側のクラッド(clad)と呼ばれる部分、そしてそれらを覆う被覆の3重構造になっている。クラッドよりもコアの屈折率を高くすることで、全反射や屈折により出来るだけ光を中心部のコアにだけ伝搬させる構造になっている。コアとクラッドはともに光に対して透過率が非常に高い石英ガラスまたはプラスチックでできている。
光を閉じこめて伝搬させるにはコアとクラッドに屈折率差が必要なため、コアには屈折率を上げるためにGe(ゲルマニウム)やP(リン)、クラッドには屈折率を下げるためにB(ホウ素)やF(フッ素)などが添加される。
光ファイバーはガラス製の方が、プラスチック製よりも伝送損失が小さい。通信に用いる場合、伝送損失を下げる必要があるため、コア材料は最大の透明度が得られるように高純度のシリカ・ガラスが使われている。特に含水量(OH基)は数ppmまでに低減させている。これにより、伝送損失は0.3dB/km以下に抑えられている。(Wikipedia「光ファイバー」より引用)
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光ファイバーの“炎上”未然に防止
光ファイバーが通信量の急増によって破壊されてしまう危険をいち早く遠隔検知する技術開発に、情報通信研究機構が成功した。情報通信量の急激な増加により光ファイバーの限界を超えた光パワーが集中すると、微細なゴミやわずかな欠陥でコア(中心部)の温度が数千℃以上に急上昇し、ファイバーフューズと呼ばれるプラズマ化現象が生じる。
この結果、光ファイバーが連続的に破壊され、瞬時に対応しないと光ファイバーだけでなく高価な通信機器まで破壊が拡大、さらにケーブル火災につながる恐れもあった。同機構が遠隔検知に成功した手法は、ファイバーフューズの発生時、光送信機方向に戻ってくる微小な反射光をとらえることにより、わずか100分の1秒以内で光送信機を停止することができる。破壊を光ファイバーのわずか数ミリ以下だけにとどめることが可能という。(出典:サイエンスポータル 2009年3月7日)
参考HP Wikipedia「光ファイバー」・NTT「ひかりTV」・情報通信研究機構プレスリリース「光ファイバーの熱破壊(ファイバーフューズ)の遠距離検知・阻止に世界で初めて成功」
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