植物の光周性
四季折々に咲く花は、私たちを楽しませてくれる。光周性とは、昼の長さと夜の長さの変化に応じて植物などが示す現象である。
北半球では、昼の長さは夏至で最長となり、冬至で最短となる。植物は、このような日長変化を感知することで、季節に応じた年周期的な反応を行うと考えられている。
さて、次の植物には光周性についての共通点がある。それは何か?
A.アブラナ ダイコン 小麦 ホウレンソウ
B.アサガオ、キク、ダイズ コスモス
C.トマト タンポポ エンドウ ハコベ
正解 ドラッグ→ Aは長日植物 Bは短日植物 Cは中性植物である。
冬から初夏にかけて日が長くなると、花芽がつくられる植物を長日植物という。厳密にいうと日照時間が長いことより、暗期が短いことが重要といわれる。
逆に夏から秋にかけて日が短くなると花芽がつくられる植物を短日植物という。
そして日長が花芽形成に関係ない植物を中性植物という。
植物の光周期反応においては、ある特定の長さの明期を境にして、開花したりしなかったりする。すなわち長日植物はそれより長い日長で、短日植物はそれより短い日長で初めて開花する。
限界日長
その境界となる長さの明期を限界日長という。植物は開花するためにある程度以上の光合成が必要であるから、非常に短い日長では開花しない。したがって短日植物は、これ以下の日長では開花しないという下位の限界日長と、これ以上では開花しないという上位の限界日長の二つの限界日長をもっている。
長日植物には上位の限界日長はなく、連続する光のもとで最もよく開花する。短日植物ではっきりした上位の限界日長をもつものを質的短日植物、それをもたないものを量的短日植物と呼ぶが、質的短日植物はむしろ少ない。
なお限界日長は開花だけでなく、休眠や球根形成などの現象でもみられる。たとえばダリアは12〜13時間を境にして、それ以下の日長で初めて塊根ができて休眠し、それ以上の日長ではいつまでも生長をつづける。
普通の植物では、植物が大きく育って株が古くなるにしたがって限界日長が変わり(花が咲きやすくなる)、また限界日長がはっきりせず、それを越える日長でも遅れはするが開花する植物もある。こういうときには、実際に栽培するうえでの限界日長を適日長限界といっている。
光周性とその発見
光周性とは、昼の長さ(明期)と夜の長さ(暗期)の変化に応じて生物が示す現象である。北半球では、昼の長さ(日長)は夏至で最長となり、冬至で最短となる。生物は、このような日長変化を感知することで、季節に応じた年周期的な反応を行うと考えられている。
光周性は、1920年にガーナー(Garner)(米)とアラード(Allard)(米)によって発見された。彼らは、同じダイズの種子を少しずつ時期をずらして蒔いたところ、それぞれ生育期間が異なるにもかかわらず、どの個体もほぼ同じ時期に花を咲かせることに気づいた。
このことから、花芽の形成時期を制御している条件が、土壌の栄養状態や空気中の二酸化炭素濃度などではなく、日照時間(正確には明期の長さではなく暗期の長さ)であることを発見し、Photoperiodic Response (光周期的反応)としたのである。
植物の光周性は、日長の変化が動植物のホルモン生成と分泌に影響して生じると考えられている。
参考HP Wikipedia「光周性」・エンゲイナビ
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