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 46年ぶりの皆既日食も雨 
 月が太陽を完全に覆い隠す皆既日食が22日午前、日本の陸地では46年ぶりに鹿児島県の奄美大島やトカラ列島の悪石島などで起きた。太陽の一部が欠ける部分日食は全国で起きていたが、あいにくの天気で、ここ湘南地方は太陽が厚い雲におおわれってしまった。皆さんの場所ではどうだったろうか?

 鹿児島県トカラ列島(十島村)の悪石島では、6分25秒の皆既日食が観測できると、全国から人口の5倍を超す計394人が集まり、待ち受けていたが、22日朝から雨模様、天候の回復を待ったが「黒い太陽」は姿を見せなかった。だが、皆既日食の時間夜のような「暗さ」が体感でき、観測者から驚きの声が上がった。

 この日は全国的に曇りや雨の空模様。実際の皆既日食の観測は、東京都の硫黄島などを除き、できないところが多かった。


 東京で部分日食確認
 あいにくの空模様で、部分日食も観測できない場所が多かったが、西東京市の多摩六都科学館では、使用済みテレホンカードを使い、太陽の変化を観察するイベントがあった。参加した子どもたちがカードのパンチ穴に通した光を白い紙に当てると、三日月状の光が映し出された。

 明け方は雨模様だった都心でも午前11時過ぎ、分厚い雲の切れ目から三日月状の太陽が何度も姿を見せた。千代田区のビル屋上では集まった会社員から歓声や拍手が上がり、40代の女性は「この天気ではだめだと思ったけれど、あきらめず見に来てよかった」と感激していた。

 また、東京都江東区の「日本科学未来館」では、国立天文台の硫黄島観測隊が撮影する皆既日食の映像を人工衛星を使って中継した。会場は無料開放され、家族連れなど2000人以上が詰めかけた。

 次回は2012年金環日食
 今回の皆既日食が起きる「皆既帯」はインドを起点にネパールや中国などを通過グァム島手前まで起きた。国立天文台によると、硫黄島付近の太平洋上の皆既継続時間は6分44秒で、今世紀に起きる皆既日食でも最長。人が住む場所で継続時間が最も長いのは、トカラ列島の悪石島で6分25秒であった。奄美大島北部のあやまる岬では3分32秒間継続した。

 部分日食も国内各地で起き、国立天文台によると、太陽が最も深く欠ける割合を示す「最大食分」は札幌51%、仙台66%、東京75%、名古屋79%、大阪82%、福岡90%などであった。

 次回の日本での皆既日食は26年後の2035年9月、北陸や北関東で観測される。また、2012年には九州南部や四国、関東などで、月の周りにはみ出した太陽がリング状に輝く金環日食が起きる。

 一喜一憂 皆既日食ツアー
 今回、日食用のメガネや冊子を購入し楽しみにしていたのだが、朝から雨で残念であった。途中、雲の切れ間から見えることを期待し、何度も空を見上げたが見ることはできなかった。ただ、日食のせいかあたりが薄暗くなったことはわかった。

 しかし、皆既日食を見るためにツアーを組み、種子島や奄美大島、悪石島に渡った人達は気の毒であった。皆既日食時、あたりは夜のように暗くなったが、雨風が強くなり、皆既日食自体を見ることができなかったのだ。

 調べてみると、ツアーは日本だけでなく「皆既日食鑑賞と杭州・上海4日間」「皆既日食鑑賞と上海4日間」など中国へのツアーもあったが、やはり天候には恵まれなかったようだった。

 必ず日食を見る方法
 テレビの日食特集を見て、ツアーの中でも「これなら高い確率で、日食を見ることができる!」というものがあった。それは洋上の船で観察するツアーである。何と船長さんが天気図を見ながら、晴れている海域に移動することができる。島は動けないが、船は動けるので、ある程度自由が効く。

 今回、貨客船「おがさわら丸」で行く皆既日食ツアーでは快晴の下、北硫黄島海域で皆既日食が観測できた。22日午前11時23分、快晴の夏空が夜のように暗くなり、最初に金星が姿を現した。月に隠された「黒い太陽」のそばには水星や、こと座の1等星「ベガ」も輝き始めた。辺りは闇に包まれたが、水平線付近は黎明(れいめい)のような不思議な光に覆われた。ツアー客など約470人の乗船者からは「素晴らしい」「信じられない」との歓声が上がった。

 次回、機会があったら船がよさそうだ。でも船は移動時間が4日間と長い。そして、船酔いも心配だ...と思っていたら「これなら短時間で、確実に皆既日食が見られる方法があった!」それは何か?

 それは、飛行機で雲の上から見る皆既日食である。確かに雲の上なら天気に左右されない。今回、全日空では鹿児島空港から飛行機で皆既日食をみるツアーを企画、参加者は13000m上空の雲の上で皆既日食を楽しんでいた。

 残念ながら日食を見ることができなかった諸君、次回、チャンスがあったら船か、飛行機で観察しよう。あ〜あ、今日だけは砂漠がうらやましい。 

参考HP 毎日新聞・朝日新聞・日本経済新聞・NHK・全日空

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