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 皆既日食で何が起きるか?
 「一度体験すると人生感が変わる」という皆既日食。一度はこの目で見てみたい。皆既日食の時にはどんな現象が見られるのだろうか?

 北硫黄島海域で貨客船「おがさわら丸」から皆既日食を眺めた人によると、22日午前11時23分、快晴の夏空が夜のように暗くなり、最初に金星が姿を現した。辺りは闇に包まれたが、水平線付近は黎明のように赤く染まった。

 しばらくすると水星や他の星々も姿を表した。とても昼の時間とは思えない素晴らしい光景だった。

 皆既日食中、太陽のまわりにはふだんは見ることのできない、スジのついたコロナが観察できた。最近の研究で、このスジは磁力線であることがわかった。太陽を望遠鏡で拡大すると、これもふだんは見ることのできない、プロミネンスが見える。プロミネンスは太陽から吹き出す赤い炎である。


 またたく間に夢のような時間が過ぎ、約6分30秒後、太陽の端がダイヤモンドのように光る「ダイヤモンドリング」が出現したかと思うと、太陽は輝きを増し始め、わずかの間に周囲は元の明るさに戻った。

 生きているうちに一度は体験してみたいものである。

 皆既日食の今昔
 インドでは、日食について「魔神ラーフとケートゥが太陽を飲み込み、吐き出すために起きる」とのヒンドゥー教の神話から、今回の皆既日食も不吉と捉えて不安がる人も多い。中国でも日食は元々、災難や皇帝の崩御を示す不吉な象徴だった。

 現代では多くの人が「500年に1度の天体ショー」と捉え、貴重な現象を一目見ようと、お祭りムードに沸いている。中には「おがさわら丸」のように太平洋上で見る人、13000m上空の飛行機から見る人とさまざまである。

 そして究めつけは、宇宙からの観察である。気象庁によると、気象衛星「ひまわり」が宇宙から皆既日食時に地球に映る月の影を撮影することに成功した。将来は宇宙から日食を見るツアーができることだろう。

 日本時間7月16日に、スペースシャトル「エンデバー号」が打ち上げられた。日本時間の7月21日に、搭載された「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームと船外パレットを取り付け、「きぼう」は完成した。スペースシャトルとISSのロボットアームを使って「きぼう」を完成させたのは、若田光一さんである。

 若田さんは、ISS長期滞在をついに完了し、2009年7月31日帰還する。若田さんは皆既日食を宇宙から見ることができたのだろうか?

 皆既日食時は、紫外線の量が減るため、電離層における電子密度が減少し、GPS機能にずれが生じるそうだ、しかし精度低下による位置のずれは2〜3メートル以下で、日常生活に支障が出るほどではないらしい。

 古代から現代まで、皆既日食についてさまざまなことが考えられ、調べられてきた。これからもまた、さまざまなことが考えられ、謎が解明されることだろう。人類には限りない可能性がある。

参考HP 毎日新聞・朝日新聞・JAXA 他 

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