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集中豪雨と竜巻
7月19〜26日に山口県や九州北部を集中豪雨が襲ったころ、7月19日には岡山県美作市で、7月27日は群馬県館林市では竜巻が発生した。
アメリカの中西部では、年間1000個発生する竜巻。日本では珍しい現象であったが、最近では珍しくなくなった。今の時期、集中豪雨ならばわかるが、いったいどうして竜巻が起きるのであろうか?

一見、集中豪雨と竜巻は何の関係もなさそうだが実は、共通点がある。それはどちらも「積乱雲」が原因だということだ。集中豪雨の場合は次から次ぎへと積乱雲ができては消え、できては消えし、雨が容易にやまない状態である。
竜巻とその原因
竜巻は、積乱雲に伴って地上から雲まで延びる、上昇気流を伴う高速の渦巻き。発達したものが地上に発生すると、建物などに甚大な被害をもたらす。なお、竜巻は地面に接したものだけをいう。
7月27日午後2〜3時、群馬県気象台は猛烈な突風が吹いた。このとき竜巻発生時によくみられる急激な気温の低下があったことを明らかにした。地域気象観測システム(アメダス)の館林観測所のデータによると、午後2時の気温は31.5度だったが、午後3時には6.4度下がり、25.1度に低下していた。
気温の急激な低下・突風というと、これは寒冷前線の通過を意味する。寒冷前線の通過時には積乱雲が発生する。この時、強烈な上昇気流が発生するので、これが渦を巻くと竜巻ができる可能性がある。
藤田スケール「F3」
7月28日、前橋地方気象台は、館林市の竜巻の規模を「0〜5」の6段階で示す「藤田スケール(F)」でF2からF3の可能性があることを明らかにした。F3の発生は、国内では珍しい。今回の竜巻では、スーパーの駐車場の乗用車など20台が横転するなどした。
F2(秒速50〜69メートル)の被害は今月19日に岡山県美作市で発生した竜巻で起きている。しかし、館林市では車が持ち上げられていることから、これを上回るF3(秒速70〜92メートル)になる可能性があるという。F3レベルになると、2006年11月に北海道佐呂間町で発生したものがF3と推定されている。
スーパーセル
強い竜巻は、スーパーセル (Supercell) と呼ばれる発達した積乱雲に伴って生じることが分かっている。スーパーセルの中心部や周辺部には、上昇気流の部分と下降気流の部分がある。
下降気流の部分では、集中豪雨が降っているために、降った雨が蒸発する際に気化熱を奪って、大気の下層が冷やされて下降気流となり、下降気流によってさらに雨が運ばれて雨が降る、というサイクルを繰り返している。ここでは雹が降ったり、激しい下降気流に伴うダウンバースト(down burst)が発生したりする。
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