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ゲリラ豪雨
2008年は都市部で「ゲリラ豪雨」があり、この言葉は流行語になった。しかし、この言葉は気象用語ではない。予測困難と思われる「局地的大雨」に対してマスコミを中心に用いられるようになった。
ゲリラ豪雨という用語が頻出するきっかけとなったのは、2008年7月下旬〜8月末にかけてのゲリラ豪雨被害の頻発が挙げられる。7月28日に神戸市都賀川で5人が死亡した鉄砲水や同日の金沢市の洪水をはじめ、8月5日には豊島区で下水道工事中の作業員が流され5人が死亡する事故が起こったほか、8月28日〜29日には岡崎市で1時間降水量146mmという記録的豪雨を観測した。
集中豪雨
これに対し、2009年の今年は、各地で「集中豪雨」があり、問題になっている。集中豪雨とは、1時間あたり100mmを超えるような猛烈な雨が、何時間も降り続けること。通常これらの激しい雨は、積乱雲によってもたらされる。1つの積乱雲による雨は、1時間程度しか続かない。なぜこのようなことがおきるのだろう?
集中豪雨の場合、前線等に伴って次々に積乱雲が発生、これが通過して大雨になる。このように積乱雲が数時間にわたって発生し続ける現象を「バックビルディング」という。なぜこのような現象が起きるのであろうか?
バックビルディング現象
気象庁は今回の集中豪雨の原因として(1)南から暖かく湿った空気が舌状に流れ込む「湿舌」(2)「デーパリングクラウド」(にんじん雲)の発生(3)北から短い周期で寒気が南下し、梅雨前線を停滞させるとともに、大気の状態が不安定になった...をあげている。
福岡、長崎両県で1時間に100ミリを超す猛烈な雨を観測した24日は、対馬海峡付近に停滞する梅雨前線に、東シナ海から暖かく湿った空気が続々と流れ込んだ。この空気の流れは等温線で舌のように見えるため「湿舌」と呼ばれ、梅雨前線を刺激。さらに黄海付近にある気圧の谷の前面で、大気の対流活動が活発になった。
こうして、九州北部付近には積乱雲が次々とできるバックビルディング現象が発生。上空からの衛星画像で積乱雲を見るとニンジンのような形に見える「テーパリングクラウド」が観察された。
停滞する梅雨前線
今年は、日本付近に北から非常に短い周期で寒気が南下。寒気と南の太平洋高気圧とのせめぎ合いの場になっていて、梅雨前線を停滞させている。全国で梅雨が明けるのは8月2日以降となり、これは新記録を更新している。
その原因とみられているのが、世界的に異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」。この現象はペルー沖から中部太平洋赤道域の海水温が上昇する現象で、太平洋西部の大気の対流活動が不活発になる。
気象庁では「6月にエルニーニョ現象が発生、冬まで続く可能性が高い」としている。日本が夏の時に発生するのは2002年以来7年ぶりだ。 そのため、梅雨前線が日本列島に居座った状態になり、九州北部−東海は梅雨が明けず、14日に梅雨明けが発表された関東甲信でもぐずついた天気が続く「戻り梅雨」となっている。
参考HP 朝日新聞・毎日新聞・Wikipedia
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