
量子とは何か?
量子とは、ある種の量がある単位量の整数倍として表わされるとき、その単位量を量子と言う。
例えば光には「光子」という光の最少単位があり、それは半分に分けられない。全体の光の量もその整数倍になっている。だから「光子」は量子である。
電子や陽子、中性子も数えられるから、量子である。それならば、卵や小石はどうだろうか?この定義によれば1個2個とかぞえられるから、やはり量子といえる。

量子論とは何か?
では、現代科学で扱われる「量子論」とは、ただの整数で数えられる「物」の理論を言うのだろうか?
どうもそうではないようだ。量子には物(粒子)としての性質以外に、もう一つ大事な性質がある。それは波(波動)の性質をもつことである。
例えば、海水は「物」だが、波は「物」ではない。波は「波動」という性質である。海水という「物」の、「波動」としての性質が波である。
私たちの目に見える世界では、このように「物」と「波動」をはっきりと区別できる。しかし、原子より小さい世界では、そんな区分ができない。 例えば、電子は数えられる「物(粒子)」としての性質と「波動(状態)」としての性質を両方を持っているのだ。
「物(粒子)」と「波動(状態)」を併せ持つ、このような特殊な存在を、普通の物質と区別するため、「量子」 と呼び、その「量子」を研究するのが「量子論」である。 光子や電子は「量子」の代表格だ。
原子の内側の世界
こうした電子や陽子、中性子という「量子」が、いくつか組み合わさると、性質の違う「原子」を造りあげ、原子が集まって「物」になるともはや量の違いが、はっきりと性質の違いに変わるという、不思議な現象が起きる。
例えば、水素と鉄とカルシウムは、どう考えても同じ「量子」からできているとは思えなくなる。 しかし、それは原子よりも大きい世界での常識である。 原子の内側に入った途端、それまで「質」の違いと信じていたものが、「量」の違いに姿を変えてしまうのだ。
このように、原子の内側と外側には、全く異なる2つの世界があり、この境目の壁はとても大きく、一方の常識は他方に通用しない。 当然、物理法則も全く違う。通常の物理学が通用しない、原子の内側の物理学が「量子力学」である。
量子の発見者
では、量子を最初に発見した人は誰だろう?
それが、ドイツの物理学者マックス・プランクである。
1900年プランクは、光のエネルギーが、ある最小単位の整数倍の値しか取ることが出来ないと仮定するとうまく計算できることを発見し、放射に関するプランクの法則(1900年)を発表した。またこの過程で得られた光の最小単位に関する定数(1899年)はプランク定数と名づけられ、物理学における基礎定数の一つとなった。
プランクが導いた結果は、後にアルベルト・アインシュタイン、ニールス・ボーアなどによって確立された量子力学の基礎となるものであった。この業績からプランクは”量子論の父”として知られており、ノーベル物理学賞(1918年)の受賞対象となった。
アインシュタインが提唱した光量子は、光の振動数の整数倍で次の式で表わされる。
E = nhν
ここで、Eはエネルギー、n は整数、hはプランク定数、νは振動数である。
n =0,1,2,3,... h = 6.626×10-34 [J・s]
参考HP Wikipedia「マックス・プランク」「プランク定数」「量子」・「30分でわかる量子力学の世界」
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