桑島化石壁
石川県白山市の桑島に「桑島化石壁」がある。桑島は手取川の下流から上流に進み、手取ダムと手取湖のあるところ。「白山恐竜パーク白峰」の前に手取川が流れているが、この川をはさんで向かい側に見える。
この岩壁は、白亜紀前期、約1億3000万年前の地層で、恐竜、足跡、淡水魚、昆虫、貝類、植物などさまざまな化石が発見され、「白山恐竜パーク白峰」で展示されている。昭和32年に国の天然記念物に指定されている。
化石壁周辺は、江戸時代から地域住民には「木の葉の模様のついた石」や「爪の形の模様のついた石」が落ちているとして知られていた。
1874年にドイツ人学者のヨハネス・ユストゥス・ラインがこの地で十数個の植物の化石を拾い、それがジュラ紀中期ごろのものと判明、ナウマンの弟子小藤文次郎が手取川流域の地質調査を行い、1880年に報告書が発表された。これは日本初の日本語で書かれた地質調査の報告書である。
1889年〜94年に横山又二郎による調査が行われ、横山は手取川流域を含む加賀・越前の中生層を「手取統」と命名した。
1957年、日本最古の珪化木産地として、国の天然記念物の指定を受ける。
1986年、当時日本最古と言われた恐竜(メガロサウルス科の近縁種)の歯の化石が発見された。
草食恐竜の新種発見
今回、「桑島化石壁」で1998年に見つかった草食性恐竜の化石が、新種の恐竜として米国の古脊椎動物学会誌で報告された。白山市教委が5日発表した。国内の恐竜化石が新種と認められるのは4例目という。
調査した大橋智之・東大特任研究員(古脊椎動物学)と英国人研究者が連名で論文を発表した。学名は「アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム」。地元で長く化石調査に貢献してきた県立白山ろく民俗資料館館長の山口一男さん、調査補助員の山口ミキ子さんにちなみ命名された。
化石は、縦約10センチ、横約1.5センチ、奥行き約5センチの石の中に、あごの上下部分と歯、目の周りの骨など11個が含まれていた。歯は鋭く突き出し、細い筋状の線が刻まれていた。恐竜の全長は約1.3メートルと推定される。
当初は小型の鳥脚類で、2足歩行の草食恐竜と考えられた。しかし、歯の表面の膨らみが、イグアノドンなどの鳥脚類と、トリケラトプスなど大型で、4足歩行の角竜類のどちらにも似た形状だった。鳥脚類、角竜類がそれぞれ特徴的な姿に進化する以前の古い姿を残した恐竜と判断したという。
国立科学博物館の真鍋真・研究主幹(古脊椎動物学)は「角竜類は鳥脚類から分岐して、ジュラ紀後期から白亜紀前期(約1億6000万年〜1億年前)にアジアで生まれたというのが有力な説。今回の新種発見は、その枝分かれの解明に役立つのでは」と話している。
化石は10〜25日、白山市の「白山恐竜パーク白峰」で公開されている。(asahi.com 2009年10月5日)
鳥脚類と角竜類
鳥脚類は、イグアノドン、ヒプシロフォドン、パラサウロロフスなどに代表される、主に二足歩行の鳥盤目に属す草食恐竜の分類群である。鳥のような骨格を持つことからこう呼ばれる。中生代ジュラ紀前期から白亜紀末までの間、南極大陸を含むほぼ全世界に分布していた。大きさは1 mのヘテロドントサウルスから10 mを超えるものもいるハドロサウルス科まで幅広い。
イグアノドンは他の一般的鳥脚類と同様にくちばし(鳥のようなくちばしではなく、骨格の一部をなす骨)を持ち、竜脚類に比べ発達した数百本の臼歯があった。上顎には歯列を左右に動かすことができる関節があった。稙物を効率的に剪断、すり潰す事が出来た。
角竜類は、鳥盤目に属し、トリケラトプス(Triceratops)に代表される角を持ったサイのような恐竜、ケラトプス類とその祖先、またオウムのようなくちばしの小型恐竜プシッタコサウルス (Psittacosaurus) からなる草食恐竜の分類群である。
グループ名の由来となった恐竜ケラトプスとはケラ:ceras(角)、オプス:ops(顔)で、角のある顔という意味である。全体に共通の特徴はオウムのようなくちばしを持つ。角竜という名前ながら最後期に出現したケラトプス科(Ceratopidae) 以外の種は顕著な角は持っていない。
参考HP Wikipedia「桑島化石壁」・朝日新聞(2009年10月5日)・白山市HP
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