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マイナスイオンは疑似科学?
マイナスイオンというと、20世紀終わりごろからメディアに頻繁に登場するようになり、1999年から2003年頃に日本で流行語となっている。この頃、マイナスイオンは、一見「科学用語」のようにみえる便利な「マーケティング用語」として、家電製品や衣類・日用雑貨などのキャッチコピーに頻繁に利用された。
家電メーカー13社からはマイナスイオンの定義として「空気中の原子や分子が電子を得てマイナスに帯電したもの」というほぼ共通した回答があり一部に関しては特性に関する自社の研究データがある。
家電製品のイメージは「健康によいもの」であったが、実態は統一的な定義もなく、健康に関して標榜されたさまざまな効果効能の中には科学的に研究されたものもあるが、実証が不十分であるものが多い。
効果を立証せよ
2003年になると景品表示法が改正されて商品の表示に対しては合理的な根拠が要求されることとなり、マイナスイオンブームの逆風となった。この法の施行の後、大手家電はマイナスイオン家電のパンフレットから効果効能の記述を削除し、そして販売自体が中止されたマイナスイオン家電も多くなる。
2003年、国民生活センターは、マイナスイオンを冠した商品すべてに科学的に健康効果が実証されているわけではないと報告。
2004年になると、マイナスイオン関連製品の月別発表件数は最盛期(2002年8月)の1/10以下となり、マイナスイオンブームは沈静化した。
さらに2006年11月には、東京都は科学的根拠が薄弱なマイナスイオン商品に対して、複数の業者に対し資料提出要求及び景品表示法を守るよう指導を行った。つまり、マイナスイオンに効果のあることを立証せねばならなくなった。
ナノイーがウイルスを除去?
そんなマイナスイオンにとって逆風の中、パナソニックから、新型インフルエンザウイルスを99%抑制する、マイナスイオン加湿空気清浄機が販売されている。果たして効果は検証されているのであろうか?
ナノイーとは、空気中の水蒸気を結露させて生成した水分に高電圧を加えた微細な帯電微粒子水のこと。パナソニックでは、空気清浄機や加湿器、冷蔵庫やドライヤーに、ナノイーを発生する装置を搭載している。
今回検証されたのは、空間に置かれたモノに付着した新型インフルエンザウイルスに対する効果。同社によれば、咳やくしゃみによって吐出され、ドアノブや照明のスイッチ、机や壁などに付着したウイルスは、接触することにより感染する恐れがあるという。
検証内容は、約45Lの実験空間において、シャーレの底面に滴下した新型インフルエンザウイルスにナノイーを曝露するというもの。この結果、6時間で同ウイルスを99%抑制したという。検証は、帯広畜産大学 大動物特殊疾病研究センターと共同で行なわれた。
ナノイーはこのほかにも、鳥インフルエンザやヒトインフルエンザのウイルスや、花粉、タバコなどの臭いを除去する効果も検証されている。
プラズマクラスター
シャープの空気清浄機には、「プラズマクラスター」と呼ばれる技術が搭載されている。
プラズマクラスターは、自然界にあるのと同じプラス(+)とマイナス(−)のイオンをプラズマ放電により作り出して空気中に放出させる。
イオンが空気中に浮遊するカビ菌やウイルスの表面に付着すると、酸化力が非常に強い「OH ラジカル」に変化する。瞬時にカビ菌やウイルスのタンパク質から水素(H)を抜き取りタンパク質を分解するため、カビ菌やウイルスが人体に悪影響をおよぼさなくなるというわけだ。
以上のように、ナノイーとプラズマクラスターは、それぞれ発生させる方法に違いはあるものの、酸化力が非常に強いイオンを作り出し、カビ菌やウイルスを攻撃して無力化しているわけだ。
この他には、新型インフルエンザウイルスに関しては、三洋電機の「電解水技術」、ダイキン工業の「ストリーマ放電」が、既に抑制効果を検証、発表している。
参考HP Wikipedia「マイナスイオン」・Panasonic・ダイキン
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