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 地球は楕円体?
 地球は球と書くが、実は丸い球体ではない。地球の形はどうなっているのだろう?

 地球は赤道半径が 6,378.137 km、極半径が 6,356.752 kmで回転楕円体に近い形である。驚いたことに、極半径よりも赤道半径のほうが 21.385 km大きい。赤道直径では12,756km、極直径では12,713kmで赤道直径のほうが約43kmも大きい。

 地球の形状を考えるとき、平均的な海水面を大陸にも延長した仮想的な形状「ジオイド」を想定する。ジオイドにもっとも近い形状の回転楕円体を地球楕円体という。地球は回転しているので自らの遠心力で楕円体になるのである。

 エベレストより高い山?
 最初に計算された地球楕円体はジョージ・エベレストによるインド地方の子午線測定によるもので、1830年に公表された。この地球楕円体構造により、地球の中心点からの距離が最も大きいのはエベレスト山頂(北緯28°標高 8,848 m)ではなく南米のチンボラソ山頂(南緯01°標高 6,267 m)である(アフリカ大陸赤道直下のキリマンジャロは南緯03°標高 5,895 m)。

 地球の質量は 5.974 ×1024 kgである。大きさと質量から平均密度が求まり、5,515 kg/m3 (5.515 g/cm3) である。これは水の5.5倍、花崗岩の2倍、鉄の0.7倍程度に相当する。地球は太陽系で最も密度の高い惑星である。逆に、一番密度が低いのは土星である。水星や金星の密度は地球に近い。

 地球の弾性変形
 地球の変形は楕円にとどまらない。驚いたことに、月と太陽の引力により、地球は変形する。これを地球の弾性変形(地球潮汐)という。このことを発見したのは日本人。京都帝国大学理学博士「志田順」である。

 志田 順(1876年〜1936)は日本の地球物理学者。「しだ とし」と読む。千葉県出身。東京帝国大学卒業。1909年に第一高等学校より京都帝国大学理工科大学に着任。京都帝国大学理学博士。京都帝国大学名誉教授。

 1909年、物理学者で大阪帝国大(現・大阪大)初代総長の長岡半太郎(1865〜1950)が、ドイツに留学中だった1890年代に発注した「傾斜計」を、京都帝国大学理工科大(現・京都大)に助教授として赴任した地球物理学者の志田順に譲った。

 志田氏はこれを使って、地球が上下だけでなく水平方向にも変形していることを突き止め計算した。この変形は月と太陽の引力による地球の弾性変形(地球潮汐)であることを発見した。地表の水平方向の変動量は「志田数」と呼ばれ、地球科学の最も基本的な知識になった。

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それでも地球は変形する 100年うもれた観測計発見


 地球は、月と太陽の引力でゴムまりのように伸び縮みする変形を繰り返している。この変形を100年前に日本で初めて観測したドイツ製の傾斜計が、京都大の敷地のがらくたの下から見つかった。由来を調査した国際高等研究所(京都府木津川市)の竹本修三フェローは「戦争中につぶされ金属資源にされたと思っていた。歴史的な装置が見つかってうれしい」と喜んでいる。

 京都大防災研究所のジェームズ・モリ教授らがこの夏、上賀茂地学観測所(京都市北区)のがらくたの山の中から見つけた。直径50センチほどの釜のような円筒の中に、地面の傾きによってわずかに動く棒やその動きをとらえるための装置が入っていた。細かい部品は見つかっていない。

 竹本フェローによると、この傾斜計は19世紀に作られたドイツ製。日本の地震学の基礎を築いた大森房吉(おおもり・ふさきち)(1868〜1923)と物理学者で大阪帝国大(現・大阪大)初代総長の長岡半太郎(ながおか・はんたろう)(1865〜1950)が、ドイツに留学中だった1890年代に発注した。さらに1909年、京都帝国大学理工科大(現・京都大)に助教授として赴任する地球物理学者の志田順(しだ・とし)(1876〜1936)に譲ったとみられる。

 志田は同年、この傾斜計を使い、地球が上下だけでなく水平方向にも変形していることを突き止め計算した。地表の水平方向の変動量は「志田数」と呼ばれ、地球科学の最も基本的な知識になった。現在も宇宙からの電波を受けて2地点の距離を測る技術や人工衛星の軌道計算などにも使われている。

 傾斜計の発見は22日、京都市で開かれる日本地震学会で報告される。(asahi.com 2009年10月13日)

 

参考HP Wikipedia「地球」「ジオイド」「志田順」 

地球―その中をさぐろう (福音館のかがくのほん)
加古 里子
福音館書店

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宇宙から見た地球
ニコラス・チータム
河出書房新社

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