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 東京モーターショー
 トヨタ自動車は、10月24日(土)から11月4日(水)まで、千葉・幕張メッセで一般公開される「第41回東京モーターショー」に、参考出品車4車種や市販乗用車などを出展する。

 出展テーマは、前回に引き続き「Harmonious Drive(ハーモニアス ドライブ) 人と、地球と走る、あたらしい明日へ。」とし、社会との共生を図りながら、個性が際立つクルマづくりに取り組む同社の姿勢を示し、その具現化した車両を紹介する。

 CO2排出量抑制、エネルギー多様化への対応などを念頭に、本格的な普及に最も適したエコカーと考えられるプラグインハイブリッド車(PHV)、クルマ本来の魅力である運転する楽しさ・所有する歓びを提案する小型FRスポーツコンセプト、近距離移動に適した小型電気自動車(EV)といった環境コンセプトカーなどを出展する。

 「PRIUS PLUG-IN HYBRID Concept」は、同社の駆動用バッテリーとしては初めてリチウムイオン電池を搭載し、家庭用電源などからの外部充電を可能とする3代目「プリウス」をベースとしたPHVのコンセプトモデルで、日本初出展となる。

 PHVは、バッテリーの残存量や充電インフラの整備状況にかかわらず使用可能で、電気エネルギーの利用促進によりHVを上回る燃費改善、化石燃料の消費抑制、CO2排出量削減、大気汚染防止などが期待できる。 燃費性能55km/L以上(CO2排出量42g/km以下)、満充電でのEV走行距離20km以上を目標値としており、充電時間は100Vで約180分、200Vで約100分を目標としている。

 PHVのスペシャルサイトでは、同車の走行映像動画を見ることができる。山道を静かに走り抜けるPHVが印象的な映像になっている。 (ナビコン 10月06日)

 プラグインハイブリッドカーとは何か?
 プラグインハイブリッドカー(PHV)は、電気自動車(EV)とハイブリッドカー(HV)を掛け合わせた自動車。

 電気自動車の環境への大きなメリットは、走行時にCO2(二酸化炭素)が発生しないことだが、デメリットは、1回の充電で走行出来るのが数10〜100km余りなので、街中などの近距離の走行には向いているが、長距離の走行には向いていないことであった。カーエアコン暖房も電池に負荷がかかりすぎて使用が制限されるほどだ。

 そこで、外部(家庭用コンセント)から夜間電力などでバッテリーに充電(プラグインの所以)しておいて、モーターのみで電気自動車として近距離走行する一方、長距離走行時にはガソリンエンジンなどが自動的に稼動する、プラグインハイブリッドカーが注目されている。

 例えば、トヨタプリウス系の現在テスト走行中のプラグインハイブリッドカーでは充電電池容量2.6kwhであり、最長13kmを電池のみで走行可能である。したがって買い物や子供の送迎程度ならガソリンを使わずに走行できる。

 2009年現在のハイブリッドカー用の電池に用いられているのはニッケル水素電池が主流(トラックを除く)で、プリウスで言えば電池だけでは7kmも走れない。プラグインハイブリッドでは電気の使用量が多くなる為、より大容量の高性能リチウムイオン電池が求められている。そのためには、電池だけで30km以上走行できる充電容量を持つ高性能電池の開発が望まれる。

 自動車革命
 100年に一度と言われる経済危機。温室効果ガス25%削減を表明した日本。20世紀を牽引した石油の時代は変わろうとしている。今、技術や産業のあり方からライフスタイルまで「自動車の常識」が大きく変わる時代が訪れている。

 NHKの自動車革命第1回では、世界中で予想以上に電気自動車(EV)の開発が進んでいて驚いた。これに対して、トヨタは価格等の面で電気自動車の本格的な普及にはまだ時間がかかると見て、まずは大型リチウムイオン電池と充電用ソケットを備えた新型エコカーで移行期の戦いを有利に進めようという戦略だ。

 それにしても、ガソリンエンジンとモーターの両方を載せた車で、電気自動車に対抗できるのだろうか?

 トヨタのプラグインハイブリッドは、ハイブリッドカー(HV)のプリススをベースにしている。外見はほとんど変わらない。変わった点を言えば、バッテリーをニッケル水素電池からリチウムイオン電池にしたこと、これにより電池容量が増えたが、室内スペースはほとんど変わらない。短い距離なら電気だけで走行することが可能だ。

 もう一つ変わった点と言えば、プラグインの部分だ。つまり家庭の電源で充電することができる。充電式の電気自動車と同様のシステムを使用し、100Vもしくは200Vの家庭用電源とつなぐ。
  
 一般家庭用100V電源でおよそ3〜4時間、200V電源なら1〜2時間で充電可能だという。モーターとエンジンの使い分けは、近郊であればモーターのみで走行。中長距離に関しては、従来のハイブリッドと同じように使い分けられる。気になる燃費については55km/L(JC08)を目指すというから驚きだ。 


参考HP Wikipedia「プラグインハイブリッド」・TOYOTA「PLUG-IN-HYBRID

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