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 ガンで亡くなった有名人
 桑田佳祐氏は食道ガンの手術に成功、退院したが、梨元勝氏、井上ひさし氏、筑紫哲也氏..は亡くなった。死因は肺ガンだそうだ。肺ガンは自覚症状が出たら手遅れで、3年生存率は10%しかないという。

 梨元氏は煙草も吸わず、食事に気をつけ、1日1万歩を歩くことを日課にしていたのに、発見されたときは「ステージ4」まで進んで、告知されてから3か月弱で死に至っている。

 肺ガンは喫煙が最大の原因とされるため、肺ガンの多くは予防が容易である、と現在の学界では考えられている。欧米では80%の肺癌が喫煙に由来すると見積もられており、紙巻タバコの煙には、ベンゼンなど百以上もの発癌性物質が含まれている。

 タバコを吸わない梨本氏は、まわりに喫煙をしている人が多かったのだろうか。受動喫煙でも肺ガンの可能性は高くなる。


 ガンは完治する?
 そんな中、2010年9月6日(月)日テレ放送の「人生が変わる1分間の深イイ話」には驚かされた。ガンが完治するというのだ。

 エックス線治療よりも副作用がない、最新の陽子線治療を行っている南東北がん陽子線治療センターを紹介。陽子線治療ができる病院は全国で5つしかなく、副作用や痛みもなく完治することができるという。担当の医師が「ガンは治る時代になった」と語る。

 番組では、舌ガンや食道ガンが完璧に治っているのを見ることができた。入院の必要がない、切る必要がない、通院で治せる、副作用がない...本当だろうか?奇跡の治療法だ。問題は治療費だけだろう、厚生労働省より先進医療として認可されたので、保険適応外。250万円以上もかかる。

 陽子線がん治療に補助
 こうした状況の中で、患者の負担を少しでも軽減させようと福井県では、陽子線治療費を補助することが決まった。

 来年3月の治療開始を目指す県立病院(福井市)の陽子線がん治療センターの県民に対する治療費について、西川一誠知事は9月9日の県議会代表質問で、1人当たり15万円を軽減するなどの考えを示した。

 陽子線治療費は医療保険が適用されないため高額で、同センターは20回照射までが240万円、21〜25回は250万円、26回以上は一律260万円の料金を設定している。県民の場合、それぞれ15万円が軽減されるという。

 また、治療費を借り入れでまかなう県民に対し、県が利子補給を行うとした。さらに、県立病院まで距離がある嶺南地域からの通院交通費について、1回あたり3000円を補助すると述べた。(産経ニュース 2010.9.10)

 陽子線ガン治療とは何か?
 陽子は水素という最も軽い元素の原子核で、それを加速したものが陽子線である。陽子線は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質がある。これを発見者の名をとってブラッグ・ピークと呼ぶ。がんの治療では病巣の深さや大きさに合わせてこのピークの深さや幅を拡げることができる。

 通常の放射線治療で用いられるエックス線は、体内に入るにしたがって徐々に吸収される放射線量が減少するので、病巣の前後にある正常の組織も同等の線量を受け、副作用を生じる原因になるが、陽子線の場合には病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできる。

 しかし、どんなガンでも治せるわけではない。正確に位置を決めることができる、進行していない、固形がんの治療に適している。脳腫瘍(原発性のみ)、頭蓋底腫瘍(脊索腫・軟骨肉腫など)、頭頸部腫瘍、肺がん、肝細胞がん、転移性肝がん(単発で他の部位に転移がないもの)、骨軟部肉腫、前立腺がん、などが適応となる。

 白血病など広範囲のものや、胃ガン、大腸ガンなど、動きやすい臓器のガン、転移性のガンには向いていない。また、陽子線照射位置が少しずれると、他の組織に潰瘍や炎症が出る副作用はある。

 陽子線治療は水素イオンをガン細胞にぶつけるものであるが、炭素イオンをぶつける重粒子線治療の方も有効である。

 

参考HP 南東北がん陽子線治療センター「がん治療と陽子線治療」・福井県陽子線がん治療センター「陽子線で治療できるがん」・国立がん研究センター「陽子線治療とは 

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徳間書店取材班
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