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2つの放射線治療
ガン放射線治療には、髪の毛が抜けたり、他の器官に副作用が出たりしてよいイメージがなかった。それは、放射線を患部に照射するときに、目的とするガン細胞だけでなく、まわりの組織にもダメージを与えてしまうからであった。
しかし、日本でこれまでガン治療に用いられた放射線はX線・γ線などの電磁波が主流であったが、放射線には陽子線・重粒子(重イオン)線などエネルギーを持った粒子もあり、こちらのほうがガン治療に効果的であることがわかった。
利用する粒子の種類によって、陽子線治療、重粒子(重イオン)線治療、パイ中間子治療等に分けられ、世界の各地で臨床応用や研究が行われている。
例えば陽子線治療では、水素原子の原子核であり、正の電荷を持つ陽子を加速して高速にしたものを体内に照射する。これらはX線やγ線(ガンマ線)を用いた外照射放射線治療の臨床経験を基礎として開発されている。がんの治療に適した特徴を持つ治療法として期待されている。

重粒子線治療の歴史
X線やγ線(これらは光子線とも呼ぶ)による外照射放射線治療は、リニアック等の高エネルギー深部治療装置が普及した現在、がんの放射線治療法の主役を担っている。
一方、粒子線治療については、1946年にWilsonというアメリカの物理学者が「高速陽子線の医学への応用」として陽子線のがん治療への応用を提唱。
1954年にアメリカのローレンス・バークレイ研究所で陽子線の治療への応用が開始された。以来、世界各地で、主に物理研究施設の加速器から得られる陽子、ヘリウム、パイ中間子やネオン等の、重粒子によるがん治療の研究が行われてきた。なお、現在治療に用いられている粒子は、陽子と炭素の2つ。
重粒子線治療の特徴
粒子線治療は、サイクロトロンやシンクロトロン等の加速器から得られる陽子線や重粒子(重イオン)線を、ガンという標的にねらいを絞って照射する治療法。
加速器は物理実験装置そのもの。この巨大な装置を見るととても病院だと思えない。この装置を見ると治療を受ける気にはなれないだろう。しかし、そこは病院、うまく装置は隠してあり、治療室は小さくスッキリとしていて安心感がある。
粒子線のうち電荷を持つもの(荷電重粒子線)の特徴は、一定の深さ以上には進まないということと、ある深さにおいて最も強く作用する。これらの特徴から、陽子線や重粒子(重イオン)線では、光子線に比べてがん病巣にその効果を集中させることが容易になる。したがって、がん病巣周囲の組織に強い副作用を引き起こすことなく、十分な線量を照射することができる。
重粒子線治療の原理
それにしても、ちょうどガン細胞のある深さで働く放射線があるなんて、よく発見したものである。この性質を発見したのは誰だろうか?
正解は、イギリスの物理学者ウィリアム・ヘンリー・ブラッグである。
1903年、アルファ線や陽子線など重荷電粒子が物質中を透過する際に示す、単位長さあたりの電離数(比電離)の変化(エネルギーの吸収量変化)を示すブラッグ曲線を発見した。もう100年以上も前のことである。
物質中を進む重荷電粒子は運動エネルギーを失って速度が低下するに従い、速度の2乗に反比例して大きな抵抗を受けるため、ある一定速度まで遅くなると急激に停止する。このとき、停止点近傍では非常に大きな電離を受け、大線量を発生することを発見した。
ヘンリーフラッグは息子のウィリアム・ローレンス・ブラッグとともに、1915年に「X線による結晶構造解析に関する研究」によりノーベル物理学賞を受賞している。
親子のノーベル賞の受賞として有名だが、1935年から1940年までイギリス王立協会の会長を務めたほどの人である。この会長職には、あのアイザック・ニュートンなど有名な科学者が多数、務めている。
ブラッグ曲線とブラッグピーク
質量の小さい荷電粒子は物質中を通過するときに散乱するが、質量が大きい重荷電粒子は散乱せずに進行(入射)方向の物質を電離しながらエネルギーを失って行く。物質中を進む重荷電粒子は運動エネルギーを失って速度が低下するに従い、速度の2乗に反比例して大きな抵抗を受けるため、ある一定速度まで遅くなると急激に停止する。このとき、停止点近傍では非常に大きな電離を受け、大線量を発生する。この現象を利用するものが重粒子線療法である。
高速の荷電粒子が物質内を通過するとき、その荷電粒子はその経路に沿って物質原子を電離し、イオンと電子との対を作る。入射した荷電粒子は次第にエネルギーを失って行く。 荷電粒子は物質内の経路を単位距離進むにつれてエネルギー損が増大して行き、いずれ停止する。 この荷電粒子の通過距離とエネルギー損の関係をプロットしたものを、発見者のウィリアム・ヘンリー・ブラッグに因んでブラッグ曲線 (Bragg curve) と呼ぶ。 物質内を進む荷電粒子が停止する直前、エネルギー損は最大になり、続いて急激に(ほぼ)ゼロにまで低下する。この極大部分はブラッグピーク (Bragg peak) と呼ばれる。 この現象は放射線療法において非常に実際的な重要性を有する。(Wikipedia)
参考HP Wikipedia「ブラッグ曲線」「ウィリアム・ヘンリー・ブラッグ」・国立がん研究センター「粒子線(重粒子線)治療」・放射線医学総合研究所「重粒子線とはどのような放射線か」
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